@在庫管理は「在庫日次ブロック」「在庫集計ブロック」「棚卸処理ブロック」で形成されています。
   ◆在庫管理システムは大きく3つのブロックで形成されています。
    
・在庫日次ブロック:在庫移動情報を実績情報として入力します。
    
・在庫集計ブロック:在庫移動実績、仕入実績、作業実績情報等より在庫移動情報を収集・計算し、各種在庫帳票を出力します。
    
・棚卸処理ブロック:定期的に行われる棚卸処理を支援します。

 

 A在庫日次ブロックの概要を説明します。
   ◆在庫日次ブロックでは、以下の入力と、対応する伝票印刷が用意されています。
    
・在庫移動入力:生産に関係なく物を動かした実績を収集します。
    
・支給入力:外注先へ物の移動を行った場合に実績を入力します。
    
・出庫入力:生産に関係する物を現場投入した実績を入力します。
    
・製番完了入力:製番の最終完了を待って、製番完了実績を入力します。

 
 B在庫移動入力を説明します。
   ◆「在庫移動入力」は、品目の移動実績を入力します。
    ・入力された情報により「在庫移動伝票」が印刷されます。 
    ・移動日を未来日に設定し、移動指示書として使用する事も可能です。
      移動区分として、以下が用意されています。
       1)移動伝票(移動元→移動先) 2)その他入庫(入庫のみ) 
       3)その他出庫(出庫のみ) 4)廃棄伝票(出庫のみ)
    ・在庫移動実績は、品目の場所間の移動のみを扱います。
     移動入力を行っただけで、品目が消費(投入)される訳ではあります。
     出庫→消費に関する実績は、出庫実績入力で入力されます。
  
  

 C支給実績入力を説明します。
   ◆「支給実績入力」では、外注先に対する支給実績を入力します。 
    ・入力後「支給伝票」が印刷されます。
    ・入力方法は、発注v狽ヘ製番+SEQb指定で生産対象の品目を特定する事で下位品目を一覧表示し入力する方法と、
     支給された品目番号を1行づつ入力するモードが有ります。
    ・実績更新された結果では、在庫が自社から、外注先へ移動した状態となります。
    ・先付けの支給日を入力する事で、支給伝票を支給指示書的な扱いにする事が可能です。
 
  

 D出庫実績入力を説明します。
   ◆「出庫伝票入力」では、計画済みの製番に対しての入庫・出庫実績を扱います。
    イメージ的には、資材倉庫から製番毎に用意されたカゴに部品を入れる動作になります。
    ・在庫引当の対象になった計画の入庫処理や、緊急で投入された品目(不良等により追加投入された物)の移動実績が対象になります。
    ・計画に無い(所要量計画の品目情報が無い)品目を投入する場合、投入される上位品目を特定して出庫する事で、所要量レコードを作成します。
    ・システム的には、当出庫実績を入力する事で、所要量計画DBに作成された管理用の情報へ、該当品目が入庫した旨の実績を更新します。

 

 E製番完了入力を説明します。
   ◆「製番完了入力」は、製番の最終実績を入力した後で実行されます。
    ・該当製番に投入(手配)されたままの状態で、在庫として残っている情報を画面から選択し、廃棄又は、共通在庫への入庫指示を行います。
    ・マスター通りに手配、生産されている計画は、この処理の対象になる品目は発生しませんが、
     手配開始後に、構成情報が変更された場合や、計画自身の変更が有った場合に、システム的に在庫が残る可能性があります。 
     この様なケースで当機能を使用します。

 

 F在庫日次更新を説明します。
   ◆「在庫日次更新」は、入力された実績情報をもとに、更新処理を行います。 
    ・在庫移動データ⇒在庫移動明細DBへ入力データ移行し入力データを削除します。
    ・支給データ⇒支給明細DBへ入力データを移行し、入力データを削除します。
    ・出庫データ⇒出庫明細DBへ入力データを移行し、入力データを削除します。
    ・製番完了データは、製番の完了により廃棄される品目や、共通在庫へ戻される品目を入力します。
     在庫移動データや、出庫データとして扱われます。
    ・在庫DBでは、在庫の移動実績を在庫場所毎に更新します。
    ・所要量計画DBへは、計画情報に対して入庫実績を更新します。
 
 

 G在庫DBの更新と業務の流れを説明します。
  ◆下図の構成を持つ品目が手配されているとします。
    ・テフロン加工は、外注先@で部品@を支給して作業されます。
    ・部品A、部品Bは、個別発注品では無く、在庫引当対象の品目です。
    ・部品@は、製番まとめ発注される属性で設定されています。
 
 

 手順@:末端部品(部品@、C、D)の発注処理を行います。
 手順A:手順@で発注された品目が受入されますので製番毎の在庫場所へ置きます。
 手順B:テフロン加工済み部品@の発注時期になったので発注します。
 手順C:部品@を外注先@へ支給します。(支給実績入力を行う)
 手順D:テフロン加工済み部品@が受入されます。(製番毎の在庫場所へ置きます)
 手順E:在庫引当対象の部品(部品A、B)を在庫引当し、出庫実績入力を行います。
      物理的には、資材倉庫より、製番毎の置き場へ移動します。
 手順F:ASSY@の作業時期になったので作業指示を行います。
      同時に発行される「製番品揃え確認表」により品揃えを確認しながら
      製番毎の在庫置き場から作業場所へ出庫(移動)します。
 手順G:ASSY@の作業が終わり、作業実績入力を行います。 
      完成したASSY@は本来は、製番毎の在庫置き場へ移動します。
 手順H:ASSYAの作業時期になったので作業指示を行います。
 手順I:ASSYAの作業が終わり、作業実績入力を行います。 
 手順J:本体ユニットの作業時期になったので作業指示を行います。
 手順K:本体ユニットの作業が終わり、作業実績入力を行います。
 手順L:生産計画品目の作業時期になったので作業指示を行います。
 手順M:生産計画品目の作業が終わり、作業実績入力を行います。
 手順N:製番の完了入力を行います。 
      この処理では、余分に移動してしまった品目や、
      仕様変更により特定製番の為に手配したが実際には使用されなかった品目について、
      再利用可能かどうかを判断し、製番在庫から共通在庫に戻し入れを行います。

 

 H在庫集計ブロックの概要を説明します。
  ◆在庫集計ブロックでは、在庫に関係する各種明細ファイルを使用し、在庫集計処理を行い、在庫データベースを更新します。
    ・在庫集計処理は、在庫確定日から、指定日迄の期間の実績情報により、在庫の受払処理を行い、現時点の在庫数量を計算します。
     計算された在庫数は、在庫データベースに現在庫数として更新されます。 
     同時に作成される在庫受払データベースは、在庫の受払情報をデータベース化した内容で、以降帳票や問合せで参照されます。
    ・在庫一覧表は、在庫の移動実績を品目毎に集計した結果で作表されます。 在庫一覧問合せも同様です。
    ・在庫受払一覧表は、受払結果の明細を、品目順に分類し、受払の明細情報を印刷します。
    ・製番別在庫一覧表では、所要量計画データベースに更新されている実績情報により作表されます。
     内容的には品揃え状況表的な帳票になります。

 

 

 I棚卸処理ブロックの概要を説明します。
  ◆棚卸処理ブロックでは、システムで管理している在庫量(理論在庫)を使用して、棚卸作業の支援を行います。
    ・実地棚卸の前に、
「棚卸準備処理」を実行します。 
     この処理では、現在の理論在庫をベースに、棚卸データを作成します。 
     棚卸データは、在庫受払結果を元に、在庫場所別+品目別に作成されます。
     「棚卸調査表」を印刷する事で、棚卸データより棚卸対象の在庫場所毎に在庫可能性のある品番が印刷されます。 
     この帳票をベースに実棚卸しを行って頂きます。
   ・
「棚卸実績入力」にて、棚卸調査票に記入された実地棚卸結果を入力します。
   ・
「棚卸帳票印刷」は、入力された棚卸実績結果を元に帳票の印刷を行います。
    チェック用のリスト、棚卸台帳、棚卸差異表、科目別集計表が用意されます。
   ・各種帳票の印刷終了後、数量・金額等のチェックを行い、棚卸高が確定した時点で
「棚卸確定処理」を実行します。 
    この処理で、棚卸データより棚卸実績DBへデータを移行し、在庫データベースへ在庫数の更新を行います。

 

 J実地棚卸の方法を説明します。
  ◆期末の実地棚卸の際、現物に棚卸現品票(単品毎の棚卸結果を記入した現品票:一品一葉式)を添付する事を要求されるケースが有りますが、
    ・在庫管理品目が多数の時、循環棚卸に一品一葉式の棚卸調査票のみを使用すると、入力の手間が増え運用に無理があります。 
    ・通常月は、一覧形式(多品一葉式)の棚卸調査票を出力し運用し、期末時点の棚卸のみ棚卸現品票(一品一葉式)を印刷する運用を推奨します。

  ◆バーコードでの運用について
   ・棚卸入力時に、「バーコードスキャン→棚卸数入力→確認入力」の繰り返しの入力となります。
   ・オペレーション速度が気になりますが、実棚時に現品貼付が必要な場合は、この形式をとる必要があります。
   ・入力時は、ヘッダー部の入力でバーコードスキャンすると、棚卸調査票と同じイメージの画面が表示され、明細の入力を行います。
    縦方向に実棚卸数の入力を行うだけになりますから、入力負荷は軽減されると考えられます。

 


 K棚卸準備処理について説明します。
  ◆
「棚卸準備処理」は、現在の理論在庫をベースに、棚卸データを作成します。 
     棚卸データは、在庫場所+品目番号をキー項目とし、棚卸準備処理を行った時点の理論在庫数と、実棚数入力用の項目が用意されています。
    ・
棚卸調査表(運用によっては棚卸カード)は、実棚卸の結果を記入する為の記入用紙として印刷されます。
     一品一葉様式の棚卸カードの場合、空札を発行する機能も必要になります。

 

 L棚卸実績入力処理について説明します。
  ◆記入済みの棚卸調査票を元に、
「棚卸実績情報の入力処理」を行います。
    ・棚卸実績bバーコードでスキャンする事により、棚卸調査票に印刷されている明細情報が明細部に表示されます。
     変更事項が無ければ、実棚卸数の入力を行います。
    ・入力された結果を元に、棚卸実績プルーフを出力し、入力内容のチェック処理を行います。

 

 M棚卸帳票印刷処理について説明します。
  ◆
「棚卸科目別集計表」 棚卸結果を仕訳科目毎に集計し帳票出力します。
   
「未検査品預り在庫台帳」受入済み未検査品が「預かり在庫」として印刷されます。